テープ起こし

テープ起こしのコツ -ちょっとの工夫でグンとよくなる!-

テープ起こしは、録音音声を聞ききながら、それをテキストとして入力していく作業です。
テープ起こしの質を高めるためには、なんといっても音に集中すること。
音への集中力というのは、経験を積むことでだんだん身についていきます。

でも、それとは別に、ちょっとした工夫によってテープ起こしの品質を向上させることも可能です。
そんなテープ起こしのコツを紹介していきます。

タイムカウントを入れる

5分や10分の短い音声を起こす時には必要ありませんが、1時間、2時間といった長い音声を起こす時には、10分おきぐらいにタイムカウントを入れるといいでしょう。
別に切りのいいところでなくても構わないので、10分に1回ぐらい、音声データの何分何秒のところなのかメモしておくわけです。
例)1.05.23
聞き直しの際に、このタイムカウントが非常に役立ちます。
(納品の際には、仕様に合わせてタイムカウントの削除を忘れずに)

聞き取れなかったところは専用の記号を入れる

繰り返し聞き直しても、どうしても聞き取れない。そんなこともあります。
そのような箇所には■■とか●●といった記号を入れておきます。
視認しやすいように、黒くベタ塗りの記号がおすすめ。
この聞き取れなかった部分にも、タイムカウントを入れておきましょう。

単語メモを作る

専門用語や難しい単語が出てきたときは、その単語の意味を調べ、単語メモを作ります。
時系列や人間関係が複雑な時は、年表や関係図を作るのもいいですね。

納品したテープ起こし原稿を、チェックする人、編集する人がいます。
後工程の人のために、メモで情報を共有するわけです。
このひと手間が、依頼者との信頼関係を深くします。

また、用語集を作っておくと、続きの音声を頼まれたときに便利。
学術会議やセミナーなどはシリーズで開催されることが多く、リピート依頼のチャンスです。

聞き直し

文章を書くとき推敲が大切なように、テープ起こしにおいては聞き直しが大切です。
一度テープ起こしを終えたあと、その原稿を見ながら、もう一度音声を聞き直してみましょう。

録音状態がよく、間違いなく起こせていると思ったときでも、結構な聞き間違いをしているものです。
また、一度目では聞き取れなかった単語も、時間を空けて聞き直すと聞き取れたりすることがあります。
聞き直しによって、原稿の精度は飛躍的に上がります。

テープ起こし原稿を自分で使うぶんには、一度聞きだけでも支障ないかもしれません。
しかし、それをクライアントに納品するような場合には、最低でも1回、できれば2回は聞き直しをしたいところ。
2回目以降の聞き直しでは、倍速再生などを使って時間短縮するのも手です。

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テープ起こしの仕事は、決して表に出ることのない黒子です。
だからこそ、丁寧な仕事をすることが大切。
ひと手間が、次の仕事につながります。