テープ起こし

テープ起こしの基本3種(素起こし・ケバ取り・整文)

ひと言にテープ起こしと言っても、その用途は実にさまざま。
用途に合わせて、テープ起こしを依頼(または受注)する仕様が変わります。
テープ起こしの仕様(仕上げ方)には、大きく分けて「素起こし(そのまま)」「ケバ取り」「整文」の3種類があります。

素起こし(そのまま)

文字通り、音声をそのまま一字一句変えずにテキスト化するのが、この「素起こし(そのまま)」です。
「あー」「えーっと」「その…」「あれ?」など、言い間違え、よどみ、口癖、どもりなども余すことなくテキスト化していきます。
聞いたままを起こすので、簡単なように思うかもしれませんが、これがなかなかにして手強いのです。
「ああ、まぁ」と「うん、ええ」を書き分けなければいけない。
意味をなさない音を正確に起こしていくのは、本当に忍耐力を必要とします。
そのため、ケバ取りよりも料金が高めに設定されていることが多いようです。
「素起こし(そのまま)」の形式でのテープ起こしは、学術的なインタビューや心理実験など、相手の感情の機微まで読み取りたいときに使われます。

ケバ取り

ケバ取りというのは、言い間違いやどもり、無意味な相槌といった「ケバ」をカットしてテープ起こしをするもの。
明らかに不要だと思われる部分だけをカットし、加筆や修正は行いません。
テープ起こしとしてはこれが最も標準的な起こし方といえるでしょう。
ケバとりの料金を基本として、素起こしや整文は割増料金になることが多いです。

整文

依頼者の要望に応じて、テープ起こし原稿を簡易編集するのが「整文」です。
語尾を「です・ます調」や「だ・である調」に整えたり、依頼者からの表記指定があれば、それに従います。

編集

テープ起こし3種には含まれませんが、テープ起こし原稿を読み言葉として編集することがあります。
一般的なテープ起こし業者ではここまで行いません。
ここまで来ると、テープ起こし業者というよりライターとしての仕事に片足突っ込んでいる感じです。
書籍原稿の元になるテープ起こしを請け負う場合には、ここまでできると大変重宝されます。

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「素起こし」「ケバ取り」「整文」の3つの単語を知っていると、テープ起こしを依頼したり受注したりする際、スムーズに話が進むと思います。