一文レビュー

『フリーライターとして稼いでいく方法、教えます。』一文レビュー

雨後の筍、フリーライター

WEBメディアの発達で、一気に増えた感のあるフリーライター。

まぁ、私もフリーライターなのですが。。。

1件100円という安価で買い叩かれ「100円ライター」と揶揄される副業ライターさんから、執筆予約2年待ちという超売れっ子ライターまでピラミッドのように存在しています。

どうやって仕事を得るのか

フリーライターの生命線ともいえるのが、「仕事を得る力」です。

周囲を見渡してみると、仕事の取り方は皆さんバラバラ。

わらしべ長者型、ガシガシ営業型、棚からボタ餅型、昔の人脈型、などなど。

ちなみに私は棚からボタ餅型。

ライターになった経緯をお話しすると、たいてい「へぇ、そんなこともあるんですね」と言われます。

しかし、そろそろ棚の上のボタ餅も在庫切れになると思われ。。。

新たなルート開拓の一助とすべく、この本を開いたのであります。

格好つけない等身大の体験談

こういうテーマって、ともすると成功者の自慢話のようなイタイ本になってしまいがち。

しかし、ここは著者である肥沼さんのお人柄なのでしょう。

うまくいった話だけではなく、自分の弱みやらとんでもない失敗談やら赤裸々に語ってくれています。

成功本によくある、弱みに見せといて実はチャームポイントアピールとか、失敗談を装った意識高い系マウンティングみたいなこともありません。

もう、失敗談は明らかに失敗談。

「それはさすがにマズいよね...」と読んでいて血の気が引きました。

読み進めるうちに「あんなことやらかしても、リカバーできるんだ!」と地の底から希望が湧いてくる。

そんな怒涛の告白が続きます。

フリーライターはじめの一歩

ライターとしての第一歩をどうやって踏み出せばいいのか、そこの記述が具体的です。

駆け出しライターがどのようなバイトをすればいいのかまで書いてある本は、そうそうありません。

とても実践的な一冊。

たまに「どうやってライターになったのですか?」と聞かれるのですが、私の場合、偶然仕事にありつけたので、ライターを目指している人にとって何の参考にもならないんですよね。

今後、ライター志望の人からこういった質問を受けたら、迷わずこの本を薦めようと思います。

◆きょうの一文◆

「何でも書きますので、どんな仕事でもください」というのは、ライターにとって弱みでしかない。(P.79)

「何でもやります」というのは、結局「取り立てて専門性はありません」と同じこと。

最初のうちはとにかくどんな仕事でもいいから引き受けたい、という気持ちが大きいものです。

でも、頼む立場からしてみたら、「何でもやります」という人より「医療系得意です」「法律の知識あります」という人のほうが頼みやすい。

編集者なんてそれこそ山のように人脈を持っているのですから、専門性がないということは、その人脈リストにインデックスをつけられず「その他」に分類されてしまうということ。

単価の低い仕事だから専門性の高い人に頼むのも気が引けるし...みたいな案件を振られるのが関の山でしょう。

などと書いていながら、私もここは耳の痛いところ。

これまでの経歴が雑多すぎて、自分の専門性、得意分野を完全に見失いつつあります。

いま一度、自分のキャリアの棚卸しをしたいと思います。

著者 肥沼さんのライター講座

著者の肥沼さん、ライターのためのマンツーマン講座を開いています。

講座というより、ライターになりたい人のよろず相談、といった感じです。

自分の困っていること、分からないことを何でも聞くことができます。

私も行ってみたので、近いうちにご報告しますね。