『若手を動かせ』 一文レビュー
若手の育成などとは全く縁のない私ですが、読んでみました。
目次からすごい
もう、目次を見ただけですでに胸アツ。
なんかこう、若いころに持っていたキラキラしたもの。
希望とか、野望とか、志とか、そういったものを思い出したのです。
「トメ吉さんが上司だったら、私の人生もっと別のものになったんじゃないか」といったもやもやした気持ちもセットで湧き上がってきましたが。
一気に読める
本章に入ると、もう一気読み。
読んでいるうちにワクワクしてくるし、もう次が読みたくって仕方なくなるのです。
小難しいビジネス本と違い、漫画『ONE PIECE』や『ドラゴンボール』が比喩として使われていて、分かりやすい。
(実は私、『ドラゴンボール』よく知らないのですが、それなのになぜか分かりやすいと思っちゃうところが不思議)
例え話が分かりやすい
とにかく例え話がうまくて、特に素晴らしかったのは
若手社員は、本来、それぞれちゃんと個性を持っています。それぞれしっかりとし た味のある「天然の鯛」のようなものだとイメージしてください。その鯛を、この先、魚として泳がせ大きく育てるか、それとも上の人間の価値観を押し付けてかまぼこにしてしまうかは、あなた次第です。(P.56)
というくだり。
かまぼこ。。。なんと秀逸な比喩でしょうか。
天然の鯛も養殖の鯛も一緒くた。
一定のクオリティは保てるものの、素材の個性をつぶしてしまう。
そんな社員教育を、「かまぼこ」のたった4文字で表現しています。
この分かりやすい比喩は、若いスタッフにどうやったら伝えることができるのかを日々考えてきたからこそ生まれたのだと思います。
若手教育に関係ない人にも
一応、若手教育の方法についてがメインテーマなのですが、若手教育に携わっていない人でも、自分のために充分役立てることができる一冊です。
◆きょうの一文◆
一歩を踏み出すために必要なのは、勇気ではなく、知識(P.86)
一歩を踏み出せないのは怖いから。
だから、「一歩を踏み出す勇気をもとう!」とよく言われます。
しかし、恐怖心というのは、無知から生まれるもの。
進むべき道とその進み方がわからないから。つまり、知識がないから、怖くて躊躇するのです。
そうトメ吉さんは言います。
つまり何をどうすればいいのか、その知識を得ることで怖くなくなり、行動できるようになる。
「勇気を出せ」と言われるより100倍実践的な解決策です。