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『これからの時代のお金に強い人、弱い人』(サチン・チョードリー/フォレスト出版)一文レビュー

『お金に強い人、弱い人』(サチン・チョードリー/フォレスト出版)

お金の本というか、生き方の本

お金について書いてある本なのですが、小手先の投資テクニックや「この先上がる株の銘柄」みたいなコンテンツはございません。

お金とどう向き合うかについて、あの手この手で書いてあるのです。

本のタイトルに「これからの時代の」とありますが、この先10年程度の一過性の内容ではなく、もっとずっと普遍性の高い考え方。

お金のみならず、自分とどう向き合うか、人生とどう向き合うか、そこまで内包した生き方の指南書です。

日本を愛する外国の方だからこそ

外国の人が書くお金の本というのは、なかなかにして日本の文化になじみにくいものが多い。

大流行した『金持ち父さん 貧乏父さん』では、不動産投資を進めていたけれど、中古住宅がどんどん値上がりしていく国と、日本のように人の手に渡った瞬間に価値が目減りする国とでは、どうしても事情が異なってきます。

その点、この本の著者サチンさんは、日本人より日本詳しいぐらいの日本ツウ。

さらに、これは翻訳本ではなく、日本の読者のために書き下ろされたもの。

外国人という客観的な目線で捉えているので、日本人のいいところ、よくないところが、日本人よりよく分かるのでしょう。

「日本人のここがもったいないよ」という部分が列挙してあります。

「言われてみれば、たしかにそうだよね」ということばかりで、いやぁ、耳が痛いのです。

とにかく読みやすい

「マインド」を変える
「習慣」を変える
「学び」を変える
「行動」を変える
といった4章構成なのですが、各章がキーワードで区切られており、さらにその区切りの中に、

・お金に強い人は、楽しみのために働く
・お金に弱い人は、お金のために働く

・お金に強い人は、すぐにやろうとする
・お金に弱い人は、すぐに言い訳を見つける

というような、お金に強い人・弱い人比較が配されています。

視覚的にも内容的にも区切りがつけやすくデザインされていて、ちょっとした空き時間や電車での読書に最適。

読書の中断・再開がしやすいので、忙しい時にも読み進めやすい本です。

夏休み中は子どもたちが何かと邪魔してくるのでまとまった読書の時間がとれないイネ子ですが、この本だけはサクサク読み進めることができちゃいました。

◆きょうの一文◆

新年のお参りは伊勢神宮に、3カ月に一度のお参りは愛宕神社に。(P.248)

インドには、全身真っ青の神様(クリシュナ)だとか、象の形をした神様(ガネーシャ)だとか、個性豊かな神様がたくさんいらっしゃるじゃないですか。

なのに、一年の初めにお伊勢参りをして、3カ月に一回近所の神社にお参りするだなんて、日本人より日本の神様を大切にしていますね。

もう、どれだけ日本が好きなのでしょうか。

そういえば、CoCo壱番屋のカレーが大好きすぎて、インドへの店舗展開のきっかけを作った人って、この本の著者のサチンさんじゃなかったかしら?

日本大好きなサチンさんが、日本のいいところを認めつつも、お金に対してちょっと残念なところを改めてもらおうと愛をこめて記した本。それが『これからの時代のお金に強い人、弱い人』なのだと感じました。